2005 Fiscal Year Annual Research Report
LSI情報処理回路と集積化したMEMSナノプローブによる放電電荷分布の高精細測定
Project/Area Number |
17760274
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三田 吉郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (40323472)
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Keywords | マイクロマシン / 深掘りRIE / Deep-RIE / 沿面放電 |
Research Abstract |
大規模集積回路(VLSI)と微小機械構造(MEMS)とは,別々の独立した分野として研究開発され,多くの産業を生み出してきた.MEMSは回路との集積化が容易であると長年言われてきているが,実際には数えるほどしか応用例が報告されていない.また,VLSI研究は回路技術やトランジスタ作製技術についての研究のみで,異種材料や異種デバイスとの融合はこれまで考えられてこなかった.以上の流れをふまえ新しい研究の潮流を生み出すべく,申請者は,VLSIとMEMSとを合成することで,それぞれ単体では実現不可能であった高度な機能を実現する,集積化マイクロシステムの研究を行なっている.本申請では,その一例として,アレイ状のナノプローブをMEMS技術によって作製し,電荷量を測定するVLSIと組みあわせて集積化システムを構成し,沿面放電を起した表面の電荷分布を従来の10倍以上(1μm〜10μmの空間解像度)で精密に測定する応用を試みている。 本年度は特に、ナノメートルサイズの開口を得るためのプロセス技術開発に重点を置いた。本研究科においては、開口幅370ナノメートル、深さ40ミクロンという、世界記録といえる深堀エッチング技術を開発した(発表文献2,MEJ)しかし本技術は適用可能な開口幅がナノメートルから10ミクロンと限られており、広く適用可能な技術とはいえなかったが、マスクアライナーのような、ミクロンの位置合わせ誤差を持つ機械を用いて同一層に対して二度露光を行い、ナノメートルの精度でナノからミリメートルの開口までのエッチングを行う技術(輪郭描画法)を開発するに至った(発表文献4MME最優秀ポスター賞、Transducers国際会議)。また、必須技術として、MEMSのエッチングで必須な「ボッシュプロセス」での問題であった、層状段差(スキャロッピング)がマイクロ開口では消失することを発見し、その物理的根拠がラジカルの吸収であることを明らかにして、採択率5%という超難関のMEMS国際会議で口頭発表した(発表文献6)。また、放電を扱うシステムであるから電気的オーバーストレスに対する耐性を高く持っことが必要であるが、同EOSを簡便な手法で検出する方法を提案し学会誌論文に発表した(文献1、IEEE TSM)。さらに、検出回路のトポロジーに関する一提案として、隣接ピクセル間の配線のみを用いつつ一つ飛ばした2近傍セルまでの情報を扱える仕組みを考案し学会誌論文とした(文献3、JJAP)。
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