2005 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン基板上の任意の場所に形成する超高速LSI用真空マイクロパッケージの研究
Project/Area Number |
17760276
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
野田 大二 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 助手 (00378267)
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Keywords | マイクロマシン / 局所的パッケージ / フィールドエミッタ / マイクロ・ナノデバイス / 超高速LSI / ゲッター / シリコンデバイス / 一体化システム |
Research Abstract |
本研究では,シリコン半導体デバイス技術に融合した手法を用いて,シリコン基板上の任意の場所に必要とされる局所的真空マイクロパッケージを作製する技術を確立することにある.サブミクロンの微小ホールを形成し,この微小ホールより犠牲層であるシリコンをエッチングして真空マイクロパッケージを作製する手法は確立しているが,実際にフィールドエミッションできる真空度まで到達できているかの検証を行うべく,チタンゲッターとフィールドエミッタを内蔵したマイクロパッケージを作製した. 作製した真空パッケージの上部を取り除き,フィールドエミッタとゲッターとなるチタンがブリッジ構造に形成出来ているかを電子顕微鏡によって観察し,設計通り作製できていることを確認した.真空パッケージ内部を高真空に保持するためにはチタンゲッターに通電し,チタンゲッター膜を形成する必要がある.ブリッジ構造にすることで,中空部分の中央は約2000℃まで上昇していることを赤外線温度センサにより確認し,ゲッター作用の見通しを得た.さらに低電圧でも必要な部分のみ高温まで到達できるようにゲッター構造の再設計も行った. また,蒸着したチタンがシリコンフィールドエミッタに付着すれば性能劣化につながるが,チタンとフィールドエミッタを形成する距離を離すことで,蒸着したチタンがフィールドエミッタには付着していないことを確認した.理論的には作製したパッケージ内部を高真空保持できるだけのゲッター膜が形成されているが,現在パッケージ内部の真空度を測定する手法を検討しており,フィールドエミッション測定も含めて解析を進める.
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