2006 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン基板上の任意の場所に形成する超高速LSI用真空マイクロパッケージの研究
Project/Area Number |
17760276
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
野田 大二 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 助手 (00378267)
|
Keywords | マイクロマシン / 局所的パッケージ / フィールドエミッタ / マイクロ・ナノデバイス / 超高速LSI / ゲッター / シリコンデバイス / 一体化システム |
Research Abstract |
本研究では,シリコン半導体デバイス技術に融合した手法を用いて,シリコン基板上の任意の場所に必要とされる微細な局所的真空空間を作製する技術を確立することにある.サブミクロン径の微小ホールを形成し,この微小ホールから犠牲層となるポリシリコンをドライエッチングすることにより微小な空間を形成する方法である. 真空空間に電子源となるフィールドエミッタと真空保持に利用するゲッターを内蔵したマイクロパッケージを内蔵する構造を作製する手法はこれまでに確立した.真空空間を保持するために,まずチタンゲッターの効果を詳細に検討した.ブリッジ構造としたゲッターの中央部を細くすると,より低い電圧でチタンがゲッター作用する約2000℃となる構造をシミュレーションより解析した.この結果を受けて実際にマイクロパッケージ内にて蒸発させてみた.解析結果よりは高い電圧を要したが,チタンが溶融して蒸着膜をマイクロパッケージ内に形成することに成功した.このとき蒸着したチタン膜がフィールドエミッタに付着すれば性能劣化につながるが,オージェ電子分光測定により,チタン膜は溶融した部分から5μm程度しか飛散しておらず,50μm離れた点を測定したところチタンのピークは検出できなかった.よって,チタンゲッターとフィールドエミッタとの距離を有る程度保つことで,チタン蒸着膜がフィールドエミッタに付着しないことがわかった.また,微小な空間であるため,本実験で蒸着した膜程度で十分に残留ガスを吸着できることも計算により求めている. 現在パッケージ内部の真空度を測定する手法を検討しており,微小空間内でのフィールドエミッション測定を含めて,高速動作の可能性評価を進めているところである.
|