2005 Fiscal Year Annual Research Report
民生用マグネトロンのレーダー・通信応用に関する研究
Project/Area Number |
17760278
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 真毅 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (10283657)
|
Keywords | マイクロ波 / 無線電力伝送 / マグネトロン / レーダー |
Research Abstract |
研究目的は(1)パルス発振、(2)変調可能な、PACMの開発である。新たなマグネトロンの開発は行わず、民生用の安価なマグネトロンを用いて外部回路での実現を目指す。我々の研究グループでは注入同期法とPLLによる陽極電流フィードバックを併用した位相(振幅)制御マグネトロンPACMを開発しており,現在までに様々な研究が行っている。しかし,過去の研究では連続波以外での駆動を検討された例が無く,さらに位相制御に約3秒必要であったため,その用途が連続波を用いたエネルギー伝送や加熱用途に限定されるという欠点があった。 PACMからの改良点は陽極電流へのPLLフィードバックの周波数応答改善である。その結果、本研究では実際にkHz動作のパルス駆動型位相(振幅)制御マグネトロンの開発に成功した。本システムでは,各パルスにおいて初期発振周波数が基準信号に同期可能な範囲内となるように初期設定を調整している。この条件で実証実験を行った結果,位相制御に要する時間がほぼ0.1ms以内に収まっていたため,安定したkHz動作のパルス駆動型位相(振幅)制御マグネトロンの実現に成功したといえる。位相安定度約6.17°で各パルスの80%以上が位相制御されている状態を実現した。次に,カットオフ周波数が1MHzのマグネトロン駆動電源を仮定してMHz動作のパルス駆動型位相(振幅)制御マグネトロンを設計した。本モデルでステップ応答約1μsを実現したため,気象庁標準気象レーダの短パルスにも十分応用可能なモデルを実現することができた。
|