2005 Fiscal Year Annual Research Report
1.5μm帯フェムト秒レーザー励起用InGaAsテラヘルツ波放射検出素子の開発
Project/Area Number |
17760279
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 正人 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 研究員 (00397689)
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Keywords | テラヘルツ波 / 光伝導アンテナ / 光通信技術 / フェムト秒レーザー |
Research Abstract |
1.5μm帯励起用鉄イオン注入InGaAs光伝導アンテナの特性向上が本研究の大きな目的の一つである。一般にイオン注入アンテナの特性はアニール処理によって最適化できる。実際、鉄イオン注入をする事で帯域が広くなり振幅が減少した放射テラヘルツ波はアニール処理を行うと帯域は狭くなりイオン無注入アンテナの帯域に近づいた。振幅に関しても580℃以上でアニールするとイオン注入前よりも高い値を示した。更に検出特性についても580℃でアニールすると感度が倍近く向上した。従って、振幅を重視した用途にはアニール処理による最適化が有効である。 また、我々の光伝導アンテナはInGaAs層1.5μmに対して0.3μmと浅いイオン注入条件であるが、最近フランスのグループが高エネルギーイオン注入で深くイオン注入したInGaAs光伝導アンテナを評価している。[1]その結果は高い帯域を示すものではなかった。その上、作製した光伝導アンテナのTHz波放射帯域を制限するその他の原因として、我々はパルス幅200fsと広い1.5μm光パルスを考えたが、70fsの光パルスを用いても大きく帯域が改善する事はなかった。 この様に、振幅に関してはアニール処理によって改善がみられるものの広帯域化は大きな問題となっている。そこで我々は波長1560,1050,780nmを用いてInGaAs表面からのテラヘルツ波放射を通して原因を調べる事にした。InSbやInAsと比較する事でバレー間散乱が放射テラヘルツ波振幅を抑えるなどが明らかになり、スペクトルに関しても長波長で励起すると中心周波数が低周波側に若干シフトする事がわかった。 [1]N.Chimot et al.Appl.Phys.Lett.87,193510(2005)
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Research Products
(4 results)