2005 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ誘起衝撃波と熱蒸散の複合効果による高効率結石破砕
Project/Area Number |
17760285
|
Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
岩井 克全 仙台電波工業高等専門学校, 助手 (10361130)
|
Keywords | 中空ファイバ / 赤外レーザ / 結石破砕 |
Research Abstract |
最近、低侵襲の尿管内視鏡下レーザ結石破砕術が行われているが、Ho:YAGレーザ(波長2.1μm)は、高出力のため熱作用による生体組織への影響が問題である。Er:YAGレーザ光(波長2.94μm)は結石に吸収され易く、低出力で効率よく破砕可能なことが明らかになったが、有効な伝送路はなかった。 本研究では、誘電体内装金属中空ファイバを用い、Ho:YAGレーザ光とEr:YAGレーザ光を同時に伝送し、従来では不可能であった衝撃波(Ho:YAGレーザ光)と熱蒸散(Er:YAGレーザ光)の複合効果破砕を可能とする全く新しいタイプの高機能ファイバの提案を行い、そのための伝送路及び先端素子を中空ファイバオプティクスで構築することを目的として、以下の研究を行った。 1.衝撃波・熱蒸散破砕用中空ファイバの製作 誘導体膜の干渉効果により、Ho:YAGレーザ光とEr:YAGレーザ光の二つのレーザ波長帯において低損失にするために最適な誘電体膜厚の設計を行った。その結果、0.2〜0.3μmの厚さにコートすれば良いことが分った。誘電体膜厚を精密に制御し、長さ1〜2mにおいて一様な膜厚を有する中空ファイバを製作することが重要であり、誘電体膜の成膜法の改善を行うことにより、Ho:YAGレーザ光とEr:YAGレーザ光を同時に低損失伝送可能な中空ファイバを実現した。 2.衝撃波・熱蒸散破砕中空ファイバ用入射光学系の設計 中空ファイバに、Ho:YAGレーザ光とEr:YAGレーザ光を効率よく入射する光学系として、テーパ状中空ファイバを検討し、幾何光学的手法を用いてその設計を行った。 3.水中出射用高機能キャップ型先端素子の製作 水中でのEr:YAGレーザ光の高効率照射を可能とする、先端素子に石英を用い、各種形状(ドーム・平凸・ボール)の先端素子を製作し、その空気中および水中での伝送特性を明らかにした。
|