2005 Fiscal Year Annual Research Report
光信号処理回路を用いた光ヒルベルト変換器と光単側波帯伝送方式
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17760294
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| Research Institution | Yamagata University |
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Principal Investigator |
高野 勝美 山形大学, 工学部, 助手 (60302303)
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| Keywords | 光通信 / 波長多重 / 単側波帯変調 / ヒルベルト変換 / 光フィルタ / 光信号処理 / アレイ導波路格子 / 自己位相変調 |
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| Research Abstract |
光ファイバ通信で光周波数利用効率を向上する方法の1つとして,光単側波帯(光SSB)変調方式が期待できる.光SSB変調を実現する変調器として,不要な片側側波帯を光フィルタで除去する方法が最も簡単であるが,光フィルタに急峻なものが無いことが大きな問題であった.従来の光フィルタとは抜本的に異なる光SSB変調技術を開拓するために,新しい光信号処理方法を採用した光ヒルベルト変換技術とそれを用いた光SSB変調技術を検討することが本研究の目的である.
本年度は以下の3点について検討を行い,それぞれ以下のような結果が得られた.(1)理想的なヒルベルト変換器を前提にしたとき,光SSB変調信号が光ファイバ伝送によって受ける波形歪の影響を明らかにした.具体的には,伝送距離延伸のためにファイバ入力光強度を増強したときに発現する自己位相変調(SPM)効果による波形歪みを詳細に検証し,光SSB変調信号に対するSPM波形歪みが,従来の両側波帯変調信号に対するそれと異なるメカニズムであることを明らかにした.さらにその歪みを低減できる方法として,源信号符号としてマンチェスタ符号を採用することを提案し,その効果を数値計算によって実証した.(2)アレイ導波路格子(AWG)を用いて信号の時間的な変化を空間周波数変換し,空間的な光フィルタによって側波帯を除去する方法を検討した.具体的には,2つのAWGを縦属接続し,その間に側波帯除去の空間フィルタを配置する構成で,空間フィルタへの光結合方法がその特性に大きな影響を与えることを明らかにした.入力段AWGの後に空間周波数サンプリングを施す導波路アレイを配置することで,時間-空間周波数変換処理が良好に機能することを明らかにした.(3)信号光を複数光路に分岐し,そのそれぞれに単位遅延時間の整数倍の遅延器を付加した後に合波する光タップ-ディレイ型のヒルベルト変換処理について検討した.この方法を採用した光SSB変調信号が光ファイバから受ける波形歪み量を検証し,タップ係数の設計方法によって光ファイバのSPM波形歪みの程度が異なることを明らかにし,歪みを低減するためのタップ係数に関する知見を得た.
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