2005 Fiscal Year Annual Research Report
無線ネットワークにおける誤り訂正技術を利用した簡易なルーティング方式の提案
Project/Area Number |
17760300
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
和田 忠浩 静岡大学, 工学部, 講師 (00303529)
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Keywords | 無線ネットワーク / ルーティング方式 / ルートダイバーシチ / ターボ符号 / 複数経路伝送 / 経路情報推定 |
Research Abstract |
無線マルチホップネットワーク方式は、高速・高信頼の情報通信を実現する一つの有力な手段として注目されている。本方式では、送信したい端末からの信号は、他の複数の移動端末を中継しながら伝送される。この際、ルーティング方式によって伝播経路を複数生成し、信号がその複数の経路を伝送することで、ルートダイバーシチ効果が期待できる。このルートダイバーシチ効果は、誤り訂正技術の適用によって高めることができ、特にシャノン限界に近い性能を持つ誤り訂正符号であるターボ符号は、その効果を顕著にする。 ルーティング方式で複数経路を生成する際の大きな問題点の一つに、各経路の品質のバランスと伝送性能の関係がある。各経路の通信品質が均等であれば、良い伝送性能が得られることが期待できるが、しかし、経路品質の均一化を図るためには非常に難易なルーティング方式が要求される。そこで本研究では経路品質が不均一である条件下での、ルートダイバーシチ効果について調査した。検討では、セルラ環境を想定して、経路数を三として評価し、ターボ符号化器で生成された符号化信号を均等にその三経路に分配すると仮定した。その結果、各経路間のSNRの比が0.75程度から1.25程度であれば、経路品質が均一である場合の特性に対して、ほぼ劣化が見られないことがわかり、今後のルーティン方式の提案への指針となった。 ターボ符号をマルチホップ環境に適用する場合、信号中継の際に経路の尤度情報が失われ、復号性能の劣化を招くという問題がある。本検討ではパリティ符号を利用した、尤度情報を維持する方式を提案した。本方式を利用することで、マルチホップ環境においても、ターボ符号の良好な復号性能が得られることを示した。
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Research Products
(3 results)