2006 Fiscal Year Annual Research Report
無線ネットワークにおける誤り訂正技術を利用した簡易なルーティング方式の提案
Project/Area Number |
17760300
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
和田 忠浩 静岡大学, 工学部, 講師 (00303529)
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Keywords | 無線ネットワーク / 経路制御 / ルートダイバーシチ / ターボ符号 / LDPC符号 / チャネル推定 / 再送制御 |
Research Abstract |
無線マルチホップネットワーク方式は、高速・高信頼の情報通信を実現する一つの有力な手段として注目されている。本方式では、送信したい端末からの信号は、他の複数の移動端末を中継しながら伝送される。この際、ルーティング方式によって伝播経路を複数生成し、信号がその複数の経路を伝送することで、ルートダイバーシチ効果が期待できる。このルートダイバーシチ効果は、誤り訂正技術の適用によって高めることができ、特にシャノン限界に近い高い性能を持つ誤り訂正符号であるターボ符号やLDPC符号は、その効果を顕著にする。また、本方式では信号は複数の移動端末を中継されるため、一般的な再送制御方式では伝送効率の劣化が見られる。そのため、これら高性能誤り訂正技術を利用した効率の良い再送制御技術も必要である。本研究では、このようなマルチホップネットワークの効率的な経路制御技術の構築を目指し、次の二つの課題を行う。一つは、高性能誤り訂正技術を利用したルートダイバーシチ効果の検討、もう一つは、誤り訂正技術を利用したマルチホップ伝送にふさわしい再送制御方式に関する検討である。 前者の検討では、ルートダイバーシチ効果を得るため、誤り訂正符号としてターボ符号とLDPC符号を利用した複数経路伝播に関する研究を行った。そしてその有効性を確認するとともに、ターボ符号を利用する場合、受診側ではチャネル情報を修得する必要があるため、パリティ検査符号を利用したチャネル情報取得方を提案し、その効果を検証した。後者の検討では、マルチホップ伝送にふさわしい簡易な再送制御技術を提案した。本手法はLDPC符号の性能を十分に利用したもので、特定のSN比において効率の良いスループット特性を得ることができることを確認した。
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Research Products
(6 results)