2007 Fiscal Year Annual Research Report
無線ネットワークにおける誤り訂正技術を利用した簡易なルーティング方式の提案
Project/Area Number |
17760300
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
和田 忠浩 Shizuoka University, 工学部, 講師 (00303529)
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Keywords | 無線ネットワーク / 経路制御 / ルートダイバーシチ / ターボ符号 / LDPC符号 / 再送制御 / 情報集約型ネットワーク |
Research Abstract |
無線エルチホップネットワークは、アドホック・センサネットワークの一つの形態であり、高速・高信頼の情報通信を実現する一つの有力な手段である。本方式では、送信端末からの信号が他の複数の移動端末を中継しながら伝送されるため、適切なルーティング方式によって伝播経路を複数生成し、信号がその複数の経路を伝送することで、ルートダイバーシチ効果が期待できる。このルートダイバーシチ効果は、誤り訂正技術の適用によって高めることができ、本研究では、無線マルチホップネットワークにおける誤り訂正符号の効果を利用した経路制御技術に関する検討を行った。特に、シャノン限界に近い高い誤り訂正能力を持つターボ符号とLDPC符号に着目し、その性能を有効に利用することを考える。 まず昨年度に引き続いて、ターボ符号による経路ダイバーシチ効果に関する検討を実施した。ターボ符号の符号語の性質を利用し、各経路に適切な送信電力を割り当てることで消費電力を低減することのできる伝送方式を提案した。次に昨年度に引き続き、信号の複数端末中継に適した再送制御方式に関する検討を実施した。LDPC符号の可変符号化率の性質に着目し、通信路状況に応じて符号化率を適切に設定することによって、劣悪な環境でも高スループットを維持する伝送方式を提案した。さらに、LDPC符号を利用したネットワーク情報の集中化を図るシステムであるデータ集約型ネットワークを提案した。本手法によって通常はボトルネックとなる情報が集中する経路の信頼性を、LDPC符号の性質を利用して改善することで全体のスループットを改善することができることを示した。 これら技術により、ルート構築のための更新間隔の低減を図れ、またルートの柔軟性を高めることができ、経路制御の簡単化につながる。
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Research Products
(4 results)