2006 Fiscal Year Annual Research Report
符号化変調方式を用いたソフトウェア無線通信の実現に関する研究
Project/Area Number |
17760302
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡本 英二 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (10358963)
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Keywords | OFDM / チャネル推定 / ウェーブレット変調 / CDMA / カオス符号化変調 / 送信ダイバーシチ |
Research Abstract |
簡易な構造で高能率・高品質な通信ができるソフトウェア無線端末を実現するために,今年度はソフトウェア無線伝送に適した方式の検討を引き続き行い,新たな方式提案を行った.簡易なソフトウェア無線手法は機能が制限される移動端末などへの適用が効果的であるため,移動無線通信環境での特性向上は重要な要素であることから,無線LANなどで用いられているOFDM方式の適用が有効と考えられた.そこでOFDM方式に適した伝搬路推定・補償方式についての提案を行い,既存の伝搬路補償手法よりも優れた特性を持つことを示した.この手法は高速フーリエ変換(FFT)を利用するため既存のFFTチップを使用でき,実装に対して親和性が高い.また同時にOFDMの発展形であるウェーブレット変調について,移動通信における特性改善手法を提案した.ウェーブレット変換は主に加算演算で実現できるため,ソフトウェア無線端末への適用性が高い.さらに複数のユーザの収容を踏まえ,CDMA化を図る検討を行った.CDMAによるユーザ多重時の品質を左右する拡散符号について改良を行い,移動通信環境において既存の拡散符号よりも優れた符号を生成した.また将来的なソフトウェア無線端末の計算能力向上を前提として,秘匿性を大幅に向上しつつ伝送特性を向上させるカオス符号化変調方式を提案し,その特性を解析した.そして実際の双方向通信時におけるどちらかの端末の処理量を軽減させることについて検討を行い,フィードバック量の少ない高精度な伝搬路情報事前付加型の複数アンテナ送信手法についての提案を行った.以上のように,本年度はソフトウェア無線実現において応用性の高いいくつかの手法についての検討を行い,シミュレーションによってその特性を評価した.
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