Research Abstract |
帯電人体からの静電気放電における放電電流発生機構の解明を目指し,放電電流の等価回路モデルを提案した.はじめに,火花通路の抵抗を時不変の抵抗としたモデルを考え,放電電流を計算したところ,実測の放電電流波形の立ち上がり時間やピーク値と一致した.このことから,簡易な電流計算モデルにて,概ね放電電流波形を予測できることが明らかとなった.この成果については,電気学会の論文誌にて報告をおこなった(Yoshinori Taka, Ikuko Mori, Osamu Fujiwara : "Measurement of Discharge Current through Hand-heldMetal Piece from Charged Human Body", IEEJ, Trans.FM, Vol.125, No.7, pp.600-601,2005参照).さらに,火花放電を電圧源と仮定した放電電流計算モデルより,放電特性を表す放電ギャップ長,および絶縁破壊電界の値を求めた.これらの値は他の研究者が全く異なる手法で得た結果や,これまで得られている実験式から求められる結果とほぼ一致した.このことより,電流計算の等価回路モデルが概ね正しいことがわかった.この成果については,現在までに口頭発表がなされている(高義礼,森育子,藤原修:帯電人体のもつ金属棒を介した気中放電の特性測定,IEICE Technical Report, EMCJ2005-40, pp.109-114).
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