2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760305
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 和則 京都大学, 情報学研究科, 助手 (50346102)
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Keywords | 周波数領域等化 / シングルキャリア / サイクリックプレフィックス / ブロック伝送 / ガードインターバル |
Research Abstract |
次世代移動体通信システムのフィジカルレイヤプロトコルとして,ADSLや無線LAN,地上波ディジタルTV放送などで利用されている,サイクリックプレフィックス(CP)を用いたブロック伝送方式を採用する試みが盛んに行われている.これはCPを用いたブロック伝送が演箕効率の高い周波数領域等化を行うことにより,高速信号伝送で問題となる周波数選択性フェージングに強い伝送方式であるからである.移動体通信システムでは屋内,屋外を間わず様々な環境で安定に通信を実現することが重要となるが,自動車のイグニッション,スイッチング電源や医療機器などから放射されるバースト雑音は通信品質を大きく劣化させることが知られている.これまでバースト雑音対策としては主に誤り訂正符号が利用されてきたが,本研究ではCPを用いたブロック伝送方式の高い等化能力を利用して,信号処理レベルでのバースト雑音対策を提案している.具体的には,まず信号レベルから受信信号ブロック中のバースト雑音を検出し,その時間サンプル値を強制的に0とする.これによりバースト雑音による信号歪みを不完全巡回行列による信号歪みに変換することとなる.さらにFFTを用いた1-tap離散周波数領域等化器のMMSE最適ウェイトを導出し,これより得られた仮判定を利用して残留干渉成分をリカーシブに除去することで大幅な特性改善が得られる.提案方式は誤り訂正符号と同時に利用することが出来るため,従来方式に比べてより高いバースト雑音耐性を得ることが可能となる.
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