2005 Fiscal Year Annual Research Report
LDPC符号の性能評価手法の開発とそれに基づく性能の良い符号構成に関する研究
Project/Area Number |
17760309
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
毛利 公美 徳島大学, 工学部, 講師 (50281697)
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Keywords | LDPC符号 / 性能評価 / 復号復号誤り確率 / 重み分布 / 確率的アルゴリズム / Sternのアルゴリズム / パリティ検査行列 / 最小距離 |
Research Abstract |
本年度は,LDPC符号の復号特性を評価するための効率的なパラメータ(重み分布)導出法の開発に取り組んだ。 LDPC符号は、パリティ検査行列が組織的な構造をもつレギュラーLDPC符号と組織的な構造をもたないイレギュラーLDPC符号に大別され、非常に性能の良い符号の大半は、イレギュラーLDPC符号に分類される。これらの符号の復号特性は、一般に重み分布と呼ばれるパラメータによって理論的に評価することができるが、LDPC符号の性能が十分発揮されるような符号長が非常に大きい場合においては、その導出は困難となる。この理由から、現状では、平均的な重み分布を用いた復号特性評価や計算機を用いた復号シミュレーションによる評価がなされている。しかしながら、前者の方法では、個々のLDPC符号に対する厳密な評価結果を得ることは困難であり、特にイレギュラーLDPC符号の場合は、組織的な構造をもたないため、厳密な評価がさらに難しくなる。また後者では、ウォータフォール領域とよばれる区間において、シミュレーションによる計算量が爆発してしまうため、評価結果を得ることが難しくなる。 本年度の研究成果は、復号特性をより厳密に評価するために、符号長が大きい場合でも、有効となるような、LDPC符号の重み分布を導出法を開発したことである。 提案手法は,LDPC符号のパリティ検査行列から,確率的な手法で低重みの符号語をサンプルとして発生させ,それらをもとにして、重み分布を復元する方法であるが、偏りの少ない低重みのサンプルの発生方法および,重み分布を復元するための近似式に特徴がある。実際に数値実験を行った結果,従来のNNCSアプローチと呼ばれる手法に比べて、導出した重み分布の精度を大幅に向上させることに成功した。本年度の研究成果は,国際会議ISIT2005(IEEE IT Sept.2005,Adelaide, Australia)にて発表している。
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