2005 Fiscal Year Annual Research Report
Reed-Solomon積符号に対するブロックターボ型復号法に関する研究
Project/Area Number |
17760310
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
得重 仁 徳島大学, 工学部, 講師 (50336921)
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Keywords | ブロックターボ型復号法 / 積符号 / 逐次型復号法 / Reed-Solomon符号 / 出力軟値 |
Research Abstract |
本研究は,ブロックターボ型復号法(BTD)と呼ばれる積符号に対する逐次型復号法を対象としている.BTDでは,積符号の構成符号に対して軟値入力逐次型限界距離復号法(IBDD)が適用され,その内部で生成される候補符号語集合に基づいて出力軟値が算出し,次段の入力軟値として逐次受け渡されている.IBDDは,受信系列の硬判定系列と予め与えられたテスト系列集合の各系列との和を入力系列とした限界距離復号法が複数用いられている.計算機模擬によって,テスト系列集合がIBDDの誤り制御特性に多大な影響を及ぼす事が知られている.出力軟値は,IBDD内部で生成される候補符号語集合より算出されるので,テスト系列集合は出力軟値の質にも影響を及ぼす.従来型IBDDで用いられるテスト系列集合は,符号のパラメーターのみに依存した非常に簡単な方法で生成されていた.そこで符号のパラメーターのみではなく通信路の性質を忠実に反映したテスト系列集合の生成方法の提案を行った.提案方法は非常に複雑ではあるが,与えられた通信路に対して1回のみ生成を行えば良い.IBDDは,同じ限界距離復号法の繰り返し回数を持つ従来型IBDDとほぼ同じ復号複雑度を持つ.提案方法によるテスト系列集合を用いたIBDDは,従来型IBDDよりも非常に優れた誤り制御特性を持つ事を計算機模擬によって示した.計算機模擬より良質の出力軟値を得るのに十分な候補符号語集合が生成されていないことが示されているので,誤り制御特性の改善の為のテスト系列集合とは別に良質の出力軟値を得る為のテスト系列集合が必要である.更に多元符号であるReed-Solomon符号を2元に展開した2元像Reed-Solmon符号を構成符号とする積符号を考慮したBTDに関しても同様の手法を適用し,従来型BTDとほぼ同じ復号複雑度で非常に優れた誤り制御特性を持つ事を計算機模擬によって示した.
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