2005 Fiscal Year Annual Research Report
無線マルチキャリア信号のためのピーク電力抑圧に関する研究
Project/Area Number |
17760313
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
牟田 修 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 助手 (80336065)
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Keywords | マルチキャリア変調 / OFDM / OFCDM / ピーク対平均電力比 / ピーク電力低減 / ターボ符号 / サブキャリア位相制御 / 位相重み係数推定 |
Research Abstract |
OFDMやOFCDM(MC-CDM)に代表されるマルチキャリア伝送方式では、送信信号のピーク電力が上昇することが問題となる。本研究では、OFDM信号とOFCDM信号を対象として、新しいピーク電力抑圧方式を開発した。概要を以下に示す。 (1)ターボ符号化OFDM信号に対する新しいピーク電力抑圧方式を開発した。この方式は、検査ビットが割り当てられたサブキャリア位相を適応的に反転させることによりピーク電力を抑圧するものである。受信側のターボ復号器では、符号の性質を利用して、検査ビット反転の有無を反復的に推定することにより、冗長な制御情報を送ることなく元の情報を復元する。本方式を用いることにより、ターボ復号の誤り訂正効果をさほど劣化させることなく、ピーク電力を約2〜2.5dB低減できることを明らかにした。また、本方式は、多値変調を用いたOFDM信号に対して特に有効であり、変調多値数の増加に伴い、誤り訂正効果の劣化量が減少することを明らかにした。(1)の方式に関して特許を出願した。 (2)キャリア位相を制御することによるピーク電力抑圧方式において、周波数ダイバーシチ伝送と併用することにより、受信側で位相制御量を推定する方式を開発した。 (3)ピーク抑圧信号を加算することでOFCDM信号のピーク電力を抑圧する新しい方式を開発した。従来、基準値を超える信号成分をピークリミタにより検出し、それを送信信号に逆極性で加算する方式が知られている。この方式では、送信信号の一部が失われるため、信号品質の劣化が生じる。本方式は、従来方式におけるピークリミタ部に単調増加関数を用いてピーク電力を低減し(ピーク抑圧信号を生成し)、その逆関数を用いて生成したピーク復元信号を受信信号に加算することで信号品質劣化を補償するものである。本方式を用いることにより、所要の伝送品質を維持しつつ、従来方式よりも優れたピーク電力抑圧特性を達成できることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)