2005 Fiscal Year Annual Research Report
カオス理論に基づいた乱数生成回路の設計と情報通信への応用
Project/Area Number |
17760314
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
常田 明夫 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (40274493)
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Keywords | カオス / 最大周期系列 / 乱数 / 相関関数 / フィードバックシフトレジスタ |
Research Abstract |
今年度、以下のような成果が得られた。 (1)mod-p加算したp値系列の統計的性質を理論的に評価し、mod-2加算した2値系列に対する結果が一般のp値系列に対しても成立することを明らかにした。 (2)離散化したベルヌイ写像とテント写像の間の等価関係について理論的に導出し、元の連続写像と類似した位相共役関係が成立することを明らかにした。 (3)回路規模の縮小を目的として、フィードバック接続を制限した非線形フィードバックシフトレジスタを提案し、その特性を評価した。その結果、フィードバック接続を制限しても、ある程度の個数の最大周期系列が生成可能であることを明らかにした。 (4)テント型のフィードバックシフトレジスタに基づいた非周期2値乱数発生器を提案し、その統計的性質を調査した。その結果、フィードバックシフトレジスタの段数と同じ次数の高次均等分布性は成立するものの、自己相関関数については、ある遅れ時間毎にピークをもつことを明らかにした。 (5)非線形フィードバックシフトレジスタから生成される系列のリアプノフ指数を理論的に導出し、数値計算結果と一致することを確認した。また、レジスタの段数を無限大にした漸近的特性が、元の連続カオス写像に対する結果と一致しないことを明らかにした。 (6)非同期DS/CDMA通信において有用な負の自己相関をもつ系列を生成する非線形フィードバックシフトレジスタを提案し、その回路化を検討した。 (7)Walsh関数に基づいた直交カオス2値系列の自己相関関数を理論的に導出し、それらが全てi.i.d.(独立同分布)であることを明らかにした。
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