2005 Fiscal Year Annual Research Report
多値論理基本関数を実現するための電圧モード多値論理VLSIチップの試作と評価
Project/Area Number |
17760328
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
稲葉 基 筑波技術大学, 産業技術学部, 助教授 (80352566)
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Keywords | VLSIチップ / 多値論理 / ダウンリテラル回路 / アナログインバータ / FG-MOSFET |
Research Abstract |
多値論理に基づき3つ以上の論理レベルで信号処理をおこなう多値VLSIの開発に必要不可欠な基礎データの収集を目的としている本研究の初年度は,CMOSダブルポリシリコンプロセスにおける多値論理基本回路の試作(VDEC)と,試作したVLSIチップの性能を評価するためのテストベンチの製作をおこなった.試作回路の1つ目は,アナログインバータ(AINV)と呼ばれる回路で,電源電圧から入力電圧を差し引いた電圧を出力する回路である.また,2つ目は,ダウンリテラル回路(DLC)と呼ばれる可変しきい値インバータで,2つの制御端子に印加する電圧によってしきい値電圧を自由に変化させることができるだけでなく,一般的なCMOSインバータよりも急峻な入出力特性や低消費電力などの長所を持つ.AINVとDLCは,ともにn形とp形FG-MOSFETを1個ずつ用いて構成され,電圧モード多値論理信号処理において最も重要な基本回路の1つである. テストベンチは,試作チップを取り付けるためのICソケット,ESD保護回路,ファンクションジェネレータ,8ビットADC, PLD,バスI/Fおよび電源回路を専用プリント基板上に実装した信号読み出し回路と,エレクトロメータ,12ビットD/Aモジュール,12ビットA/Dモジュール,直流安定化電源,恒温槽,パーソナルコンピュータで構成され,-5℃から+50℃の温度範囲で試作チップの評価ができるようになっている.温度管理,入力信号の発生およびデータ収集等は,コンピュータ上で開発したプログラムにより半自動的におこなわれる.現在,次年度以降の多値論理応用回路の試作に向け,AINVとDLCの詳細なデータの収集・解析中である.
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