2006 Fiscal Year Annual Research Report
物体識別のための圧電素子を有する多機能型接触センサの性能評価
Project/Area Number |
17760339
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
木本 晃 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80295021)
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Keywords | 圧電セラミックス / 静電容量 / 伝播時間 / 積層型構造 |
Research Abstract |
本研究は、ヒトの優れた皮膚感覚を模倣した触覚センサの確立を目的としている。これまでに、材質識別とともにその厚さや硬さ等の複数の情報を検出するための新しい接触センサとして、圧電素子を有する多機能型接触センサを提案した。本研究では、圧電素子を有する多機能型接触センサにより、これまでの材質識別とその厚さ検出において得た成果に加え、材質の硬さ・軟らかさの検出を行い、提案センサの性能の評価を行うことを目的としている。 本年度は、昨年までに得られた成果をもとにセンサ構造の改良を図り、材質識別を含めた測定対象の硬さ・軟らかさ検出の精度向上を図った。センサ構造は、4つの圧電セラミックスを半円筒型表面に配置し、その上部に平行平板電極を設けた積層型構造である。接触表面の並行に配置した一対の圧電セラミックスで対象の超音波及び電気特性を測定することでその材質識別とその厚さを検出し,表面の湾曲部に配置した圧電セラミックス及び上部に配置した平行平板コンデンサにより静電容量を測定することで硬さ・軟らかさを検出しようとするものである。測定試料は、3種類の材質及び厚さと4種類の硬さの異なるシリコンゴムを用いた。結果より、平行平板コンデンサを上部に配置した積層型構造により硬さ・軟らかさの検出能力の向上を図ることが出来た。次に、圧電セラミックスを用いた静電容量測定とその比誘電率との関係について調べた。実験として、3種類の比誘電率の圧電セラミックス電極とアクリル樹脂を挟んだステンレス電極を1対ずつ用意し、4種類の測定試料についてそれぞれ静電容量を測定した。結果として、測定試料に対して圧電セラミックスの比誘電率が高くなると静電容量の測定精度が低下した。しかしながら,比誘電率が低い圧電セラミックス及び高い比誘電率でも測定方法を工夫することによって十分な精度を持って静電容量の測定が可能であることが分かった。
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Research Products
(2 results)