2006 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ誘起蛍光を援用した誘電泳動による細菌の高速計測に関する研究
Project/Area Number |
17760340
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
内田 諭 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 助教授 (90305417)
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Keywords | 誘電泳動 / インピーダンス / レーザ誘起蛍光法 / 蛍光強度 / 高速計測 / 病原細菌 / 抗体 / 菌密度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、誘電泳動インピーダンス法(DEPIM)にレーザ誘起蛍光法(LIF)を援用した新たな細菌検出法(DEPIM-LIF)を確立するため、計測指標となる菌混合液中のインピーダンスと蛍光強度の相関を明らかにすることである。本年度(平成18年度)は前年度における準備的研究を基にして、(1)インピーダンスー蛍光強度の同時計測、(2)混合状態における検出特性の比較、(3)検量基準の作成を行った。 (1)に関しては、モデル病原菌である大腸菌にCFDAやCTCなどの蛍光抗体を付与して染色し、各種菌濃度に対する蛍光強度を計測した。同時に電極間のインピーダンスも計測し、誘電泳動による大腸菌コロニー群の蛍光強度との相関を定量的に精査した。 (2)に関しては、加温処理により代謝状態や活性(生死)の異なる大腸菌群を調整し、インピーダンスの変動傾向を調査した。結果として、生物学的検出法では同時計測が難しい複合的な生体活動変化を電気的定量値として間接的に捉えることが出来た。また、各種パラメータ(電圧振幅、駆動周波数、流量、バッファ溶液)の適切な調整によって、詳細な分離が可能であることが示唆された。蛍光分析に関しては、染色の有無による明確な計測分離に成功しており、マイクロセル中での混合菌溶液に対するDEPIMを十分に補完する結果が得られた。 (3)に関しては、上記で得られた各種条件に対するインピーダンスの変動傾向をデータベース化するとともに、他の生物学的検出法で得られた特性と比較して相関係数を算出した。 なお、本研究の関連成果は、学術投稿論文(静電気学会誌)及び国内学会講演会(静電気学会全国大会及び電気学会全国大会)にて発表されている。 以上のことから、本研究では当補助金を有効に活用し、確実に到達目標を達成できたと思われる。
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