2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760341
|
Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
伊東 保志 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 機能発達学部, 研究員 (70268069)
|
Keywords | 誘発筋音図 / 骨格筋 / モデル推定 / 単収縮 / 周波数応答 |
Research Abstract |
本研究の目的は,単収縮時の筋の収縮機構を明らかにするため,電気的に誘発された筋音図を用いて筋の力学的モデルにおける各要素の動的な変化を定量的に捉えることを試み,そのための筋音図解析法を確立することであった.また,平成17年度においては,既に発表されている多数の力学的モデルの特徴を整理し,本研究の目的に適したモデルの選定あるいは新たに構築することを行うとともに,上腕二頭筋を対象として誘発筋音図の導出を行い,得られた信号に様々な解析方法を試みることとした.その結果,まず,注目したモデルは筋の動的活動を巨視的に捉えることのできる二要素モデルを基本とする粘弾性モデルであり,これに興奮収縮連関の入出力特性を含めた数理モデルを考えた.さらに,筋をひとつのブラックボックスとして,その入出力から周波数応答法によって周波数伝達関数を推定する方法にも注目した.実験では,20歳代の成人男性20名に協力してもらい,上腕二頭筋を対象に,電気的に誘発した単収縮時の筋音図および筋力の導出・記録を行った.なお,筋音図の導出には,小型加速度計と専用の筋音計(メディセンスMPS110,移動後の所属機関の現有設備)を使用した.また,導出した筋音図と筋力からFFTアルゴリズムを用いてそれぞれのフーリエ変換を算出した.現段階では,従来のモデルの検討から,筋が三つの一次遅れ要素とむだ時間要素から構成される伝達システムとして記述できると仮定しており,その妥当性を検討するため,上腕二頭筋から導出・算出した誘発筋音図と筋力のフーリエ変換から,モデル・パラメータの推定を試みている.
|