2005 Fiscal Year Annual Research Report
可干渉・非可干渉光源による干渉パターンの実時間復調型画像センシングの研究
Project/Area Number |
17760342
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
来海 暁 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 助教授 (30312987)
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Keywords | 光ヘテロダイン干渉 / 複屈折分布計測 / フーリエ変換分光 / 時間相関イメージセンサ / 実時間干渉イメージング / 液晶パネル検査 / 干渉分光断層映像法 / ホログラフィ干渉計測 |
Research Abstract |
本研究では,申請者がこれまで提案した実時間ヘテロダイン干渉撮像システムの応用展開を広げるとともに,白色光源などの非可干渉光にも適用し,可視-赤外波長領域を対象としてフーリエ変換法に基づく高速・高波長分解能の分光画像センシングシステムを実現することを目的とする.可干渉光,非可干渉光いずれについてもパターン復調原理は共通であり,ともに時間相関イメージセンサを用いて干渉波形の振幅・位相を実時間で画像として復調することが最大の特色である.本年度の成果は以下の通りである. 1.液晶パネルの複屈折分布の動的計測 液晶ディスプレイ(LCD)は大型化,高精細化が進み,需要が急速に拡大している.液晶自体は複屈折素子であり,しかも複屈折の状態が画素ごとに動的に変化することにより動画を表示する.本年度は,市販LCDパネルの2次元複屈折分布を動的に計測するためのシステム開発を行った.計測には申請者が提案しているヘテロダイン復調型実時間複屈折イメージャを用いた.複屈折イメージャは透過物体にしか適用できないが,LCDパネルは反射型が多く光を透過できない.そこで光を透過させつつLCDを駆動するための基板を製作した.マイクロコンピュータでLCDを駆動し動的パターンを表示させたところ,複屈折が画素ごとに変化する様子を実時間で可視化することに成功した. 2.高速フーリエ変換分光撮像システムの検討 フーリエ変換分光は高波長分解能の分光計測法であり,赤外領域では実用化されている.しかし,2次元走査と時間軸干渉波形の計測によるトレードオフが実時間動作の障害となっている.本年度はフーリエ変換分光撮像を高速に行うためのシステムを構築し,特にマイケルソン干渉計における走査鏡の動作を検証した.安定化レーザを用いて干渉波形を調べたところ,一般の直線ステージでは走査の等速性に問題があること,また特定の分光画像のみを常に抽出するには,ステージの速度を常時モニタリングしそれに合わせて干渉波形の周波数を選択する必要があることが分かった.
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