2005 Fiscal Year Annual Research Report
タイヤのスリップに対応した複数台の車両型作業ロボットの衝突回避制御
Project/Area Number |
17760345
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
櫻間 一徳 電気通信大学, 大学院・電気通信学研究科, 助手 (10377020)
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Keywords | 機械力学・制御 / 制御工学 / 知能機械 / 知能ロボティクス / 安全工学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「タイヤがスリップを起こしやすい路面において、作業用マニピュレータを装備した複数の移動ロボットが、衝突せずに作業を達成するためのアルゴリズム」を構築し、その実験検証を行なうことである。本年度はこれらの目的を大まかに三分割し、それぞれ以下のような結果を得ることができた。 1.タイヤがスリップを起こしやすい路面におけるロボットの姿勢安定化制御についての検討を行った。まず、タイヤが滑っている状態と滑っていない状態の二種類のモデルをラグランジュ形によって表し、それらが切り替わる条件を数学的に表した。次に、このようなシステムに対して非線形モデル予測制御を用いて、路面を滑りながらも正確にロボットの姿勢を整える制御系の設計に成功した。その有効性を実験によって確認した。 2.ロボットの作業用マニピュレータの部分を障害物環境下で自由に動作させるために、その軌道追従法についての検討を行った。本研究では、まず、既存の障害物回避法と軌道追従法の単純な組み合わせでは、目標軌道の取り方によってマニピュレータは障害物に衝突する可能性があることを示した。このような問題を解決するために、軌道をパラメータ表示し、それを適切に動かすことで障害物への衝突を避ける手法を提案した。さらにその有効性をシミュレーションによって確認した。今後、実験を行う予定である。 3.マニピュレータのない複数の移動ロボットが互いに衝突を回避しながら、与えられた目標軌道を追従するため手法について検討した。このような目的のためには、ロボット同士を衝突させないためにも、目標軌道がある程度離れている必要がある。本研究では、操作者のミスによってロボット同士を衝突させる危険な軌道が与えられたときに、軌道同士を離す滑らかな写像を用いて目標軌道を適切に修正する手法を提案した。今後は、これらの手法を組み合わせることで研究目的を達成し、さらに、複数台のマニピュレータ搭載の作業用ロボットを協調させた部品の組立ての実験を行う予定である。
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