2005 Fiscal Year Annual Research Report
インプリシト表現に基づくハイブリッドダイナミカルシステムの解析と設計
Project/Area Number |
17760354
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
増淵 泉 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90283150)
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Keywords | ハイブリッドダイナミカルシステム / 安定解析 / ディスクリプタシステム / 線形行列不等式(LMI) / 凸最適化 / 非線形システム / 二乗和(SOS) / 消散性 |
Research Abstract |
インプリシト表現されたハイブリッドダイナミカルシステムの性能解析および設計の理論の構築を目的とし,本年度は基礎理論の研究,数値計算法およびその実装,シミュレーション・実験装置の準備を実施し,また成果の公表を国内・国際会議にて行った.まず基礎理論に関して以下の研究を行った. (1)インプリシト表現の一種であるディスクリプタシステムにおける新たな性能評価条件を導出した.これは従来法に比べその表現を特殊なものに選ぶ必要がないという利点があり,従来の結果の表現に関する制限を取り除くものである.この結果に基づく解析および制御系設計法について国内外で発表を行った. (2)ハイブリッドダイナミカルシステムの解析に不可欠な数値計算アルゴリズムの開発および実装を行った.安定解析などの問題を数値計算に帰着させるが,その際に必要な数式処理的作業および数値計算問題の生成を自動で行う機能を有するものである. (3)ハイブリッドダイナミカルシステムの基礎となる非線形システムの新たな理論として,密度関数と呼ばれる関数による解析,設計方法を導出した.従来研究においてこの手法は,大域的な安定解析についてのみ適用可能であったが,非線形システムの解析において重要な,所定の領域上での解の収束性に関する条件を新たに求めた.この結果においては,制御系の設計問題についても二乗和を通して線形行列不等式に関する凸最適化の範疇で行えるという利点があり,今後もこの利点を活かした設計法の拡充が期待される. 以上のほか,本研究の基礎となるロバスト行列不等式に関する発表も行った. 実験装置に関しては,本年度はソフトウェアの充実を図り,最新版の汎用数値計算・設計プラットフォームなどを導入した.また,制御システム構築のためのハードウェア,ソフトウェアに関する調査を進めた.
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