2005 Fiscal Year Annual Research Report
橋梁放射音の予測及び評価システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
17760367
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
松本 泰尚 埼玉大学, 工学部, 助教授 (90322023)
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Keywords | 騒音 / 評価 / 統計的エネルギー法 / 心理反応 / ラウドネスモデル |
Research Abstract |
橋梁放射音を全周波数領域において予測・評価するためには,現在の一般的な方法に加え,1)中・高周波数領域での局部振動等とそれに対応する音の解析方法の構築,2)対象周波数領域全ての音を人間の反応に基づき総合的に評価する方法の構築が必要であり,これらを本研究の対象としている.まず,1)については,統計平均的方法である統計的エネルギー法の適用性を実験により検討した.本研究では,橋梁のモジュラー型伸縮装置を例とし,その実物大の試験体に対する打撃試験を実施して得た部材の振動及び音の測定データを用いて,適切なモデル化(要素分割及びパラメータ同定方法)に関して検討した.その結果,実験値とモデルによる推定値との間にある程度の整合性は得られたが,実験方法も含めモデル構築手法のさらなる改良の必要性が明らかとなった.つぎに,2)については,既往の研究で構築されているラウドネスモデルに基づく評価方法の妥当性について検討した.これにより,全周波数領域をカバーする評価方法の構築を目指している.具体的には,被験者を用いた心理実験を実施し,純音の重ねあわせによる複合音に対する被験者の心理応答を測定し,それとラウドネスモデルによる評価とを比較することで,評価法の妥当性を検討した.その結果,ラウドネスモデルは,測定された心理応答の定性的な傾向は評価できていることが確認されたが,定量的な評価に用いるには課題となる点を見出すこともできた.なお,本年度の成果は,次年度以降に学術論文誌などに投稿する予定である.
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