2005 Fiscal Year Annual Research Report
鋼製橋脚に発生した疲労き裂を起点とする地震時脆性破壊のシナリオとその制御
Project/Area Number |
17760369
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
佐々木 栄一 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (40311659)
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Keywords | 鋼製橋脚 / 疲労き裂 / 脆性破壊 |
Research Abstract |
平成17年度は,鋼製橋脚の地震時挙動と起点となるき裂の特徴について,以下のような検討を行った. (1)鋼製橋脚の大規模地震時挙動特性の解明 鋼製橋脚の変形や塑性ひずみ履歴などの大規模地震時挙動特性を明確にすることが,脆性破壊の発生シナリオを解明する上で最も重要な課題のひとつであるため,鋼製橋脚の挙動に着目した高架橋システムの地震時挙動の解明を目的とした,高架橋システムのモデル化を行い,地震動の入力方向等の影響の評価を行った.また,橋脚の形状が重要な影響を及ぼすことが示唆されたことから,平成18年度でも継続的に検討を行うこととした. (2)塑性ひずみ履歴下の疲労き裂のき裂先端形状の変化と低サイクル疲労き裂の発生特性の観察 疲労き裂が,塑性ひずみ履歴を受ける中で,時々刻々どのようなき裂先端形状となっているのか,その変化を随時観察マイクロスコープにより観察した.その結果,鋭い状態と鈍い状態が繰り返し生じていることが明らかとなり,時々刻々のき裂の開口等の変位を計測するためのシステムの構築を開始した.そのシステムを用いて,疲労き裂先端から低サイクル疲労き裂が発生,進展する可能性についても実験的に検討を開始した. (3)溶接継手部における疲労き裂のき裂先端形状の変化と低サイクル疲労き裂の発生可能性 鋼製橋脚で発生する疲労き裂は,実際には溶接継手部で発生することから,溶接継手部において塑性ひずみ履歴下の疲労き裂の先端形状,および,疲労き裂を起点とする低サイクル疲労き裂の発生可能性を把握するため,小型溶接継手試験体を用いた低サイクル疲労試験により検討を行った.試験後,き裂先端近傍を切出して,き裂先端の状況をマイクロスコープにより観察し,き裂先端の形状の計測などでその特徴を明らかにした.
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