2005 Fiscal Year Annual Research Report
即時広域震度分布推定のための震源過程推定法の高度化に関する研究
Project/Area Number |
17760373
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
久世 益充 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 助手 (30397319)
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Keywords | 地震 / 防災 / 広域震度推定 / 震源過程 |
Research Abstract |
今年度はこれまでの研究成果による広域震度分布推定の妥当性検証を主眼に置いて,想定東海地震が発生した場合を仮定した震源過程推定,並びに中部5県域(愛知・岐阜・三重・静岡・長野)を対象とした基盤震度分布の即時推定を行った. 推定では,防災科学技術研究所の基盤強震観測網KiK-netの各観測地点で波形記録が得られた場合を仮定した。まず,震源過程推定に用いる工学的基盤(v_s=400〜600m/sec)相当の波形を,KiK-netの基盤観測波形より変換できるように,地盤震動解析法を用いた変換精度の考察を進めた.公開されている地盤資料より作成した地盤モデルを用いて,2004年9月に発生した地震で観測された当該地域の基盤波形を地表波形に変換し,観測された地表波形と比較した結果,大半の地点で震源過程推定に必要な加速度包絡波形を概ね変換できていることが確認できた. 次に,想定東海地震発生を仮定しアスペリティ分布を推定した。推定結果が設定したアスペリティ分布と異なる傾向が見られたが,各地点の加速度包絡波形を再現できていることが確認できた.広域震度分布推定の際には,推定精度を考慮した補間により数値計算時間の短縮を図った.その結果,地震動シミュレーションを用いると推定に十数日必要な中部5県域の広域震度分布を,わずか数時間で同等の精度で推定可能なことが確認できた. 地震動パワーの距離減衰特性に着目した断層面推定法においては,断層最短距離と地震動パワーの関連について考察を進めた.今年度は推定法開発には至らなかったが,地震動パワーの距離減衰特性を震源メカニズム情報と共に活用した断層面の拡がりを有る程度推定できる可能性を示すことができた.
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