2005 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ超音波を用いた非接触型非破壊試験の定量的評価に関する研究
Project/Area Number |
17760375
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉川 仁 京都大学, 工学研究科, 助手 (90359836)
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Keywords | レーザ超音波試験 / 定量的非破壊評価 / 逆問題 / 境界積分方程式法 |
Research Abstract |
超音波非破壊試験の一つである、レーザ超音波非破壊試験についての研究を行った。検査対象物にパルスレーザを用いて弾性波動場を励起し、対象物内部の散乱体からの散乱波をレーザ干渉計で計測する。レーザ干渉計では対象物の表面の粒子速度が計測できるため、それらの計測速度波形データを用いて定量的な非破壊評価が可能となる。レーザ超音波を用いた定量的非破壊評価について、本年度の研究実績は以下の通りである。 パルスレーザによって、対象物に励起される弾性波動場には2つのモードがある。一つはTモードと呼ばれ、レーザ照射部が温められて熱膨張を起こし弾性波を発生する。もう一つはAモードと呼ばれ、パルスレーザの強度が強い時にレーザ照射部が気化する事で弾性波が励起する。それぞれのモードについて、動弾性問題のGreen関数を用いたプログラムを作成した。実際にアルミニウム供試体を対象としたレーザ超音波試験を行い得られた計測データから、材料内部に励起される弾性波動場を同定し数値的に復元した。また、境界積分方程式法を用いた時間域動弾性問題のプログラムを作成し、Green関数を求めるのが困難な領域(例えば、形状が複雑な領域や、欠陥やクラックなどの散乱体を含む領域)におけるレーザ励起弾性波動場を数値的に計算することを可能にした。時間域動弾性境界積分方程式法のプログラムの精度も、実データを用いた数値解析を行い検証した。非常に高い精度で、材料内部の弾性波動場が数値的に実現できる事を示した。
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