2006 Fiscal Year Annual Research Report
地震時に実構造物に導入される応力と地震波のモニタリグ及び両者の相関性に関する研究
Project/Area Number |
17760378
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
角掛 久雄 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 助手 (90326249)
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Keywords | 地震記録 / 構造物 / ひずみ / 応力 / モニタリング / 地震応答解析 / RC柱 |
Research Abstract |
地震計記録,加速度,速度,変位および実構造物のRC柱に発生する応力(ひずみ)を実測し,得られたデータより地震計の記録と応力計の記録との対応・整合性を検証するとともにデータの蓄積を行うため,平成17年に地震記録のモニタリングを本格的にスタートさせた.その後,平成17年11月1日および平成18年5月15日に発生した地震に対する観測位置での地震記録を計測することが出来た.ただし,観測位置での震度は1以下と非常に小さく構造物のひずみを計測するには至らなかった.しかし,解析的検証として,モニタリングを行う実構造物の地震応答解析を行い総合的に地震計記録と構造物に発生する応力との対応・整合性を検証するため,まずは骨組み構造でモデル化を行い,地震応答解析を試みた.その結果,微少な地震記録に対しては妥当性の確認を得るに至っている. その後,平成19年3月25日に能登半島沖で発生した地震に対して初めて地震記録と柱に生じるひずみの同時計測を行うことが出来た.ただし,観測位置での震度は2であり,ひずみも1.4μと非常に小さなものであった.しかし,この地震時の地震記録と実構造物のRC柱のひずみの同時計測によって得られたデータを用い地震応答解析の結果と実測値との相関性の検証を行った.その結果,立体骨組みモデルを用いた応答解析でも実測値と類似したひずみ応答を示すことが出来,十分な地震応答特性を示すことが可能であることを示すことが出来た. この2年間で,計測できた地震記録は3回であるが,内1回でひずみも同時に計測することが出来た.しかし,どの地震も地震波形において最大加速度が3gal以下と小さな揺れであった.そのため,実構造物に生じる応力の検証するに当たり考慮すべき要因が多くなり,十分に計測結果から地震記録との対応などを確認するには至っていない.そのため,今後も計測を続けることで,解析のみならず,実測による検証を実現するものである.
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Research Products
(2 results)