2005 Fiscal Year Annual Research Report
直接荷重を受ける溶接カバープレート近傍の応力性状と疲労挙動に関する研究
Project/Area Number |
17760382
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
穴見 健吾 高知工科大学, 工学部, 講師 (30272678)
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Keywords | 疲労 / 溶接カバープレート / 荷重伝達 / 応力集中 / 局部変形 |
Research Abstract |
平成17年度は、直接荷重を受ける溶接カバープレートディテールの中で、近年、実橋梁において疲労損傷が多く報告され、その疲労メカニズムの解明や補修・補強対策が火急の課題となっている鋼製橋脚横梁支点部直下ダイアフラムディテールを対象として、沓座(カバープレート)近傍の応力性状について、解析的、実験的に検討を行った。特に、解析的な検討では、(1)沓座から下部構造への力の伝達の検討、(2)ズーミングなどの手法を用いた、沓座を含む溶接ディテールの溶接ビードや不溶着部などを詳細にモデル化、といった検討により、実橋梁より取り出した実橋大試験体を用いた静的載荷試験より得られた応力性状と整合性の取れた解析結果が得られるモデルを構築した。この詳細な解析モデルを用いて、当該ディテールでの応力発生メカニズムを詳細に解析した。特に疲労損傷の発生が顕著である沓座間のフランジ-ダイアフラム-縦リブ取り合い部の応力発生状況を交通荷重をシミュレートしながら検討を行い、沓座に作用する力の成分により当該部の局部変形性状が異なり、鉛直荷重と局部変形(股閉じ・股開き)に起因する応力が複雑に作用することが分かった。 また、作成したモデルを用いて、カバープレートを支える下部のディテールの幾何形状の変化が、その近傍の応力に与える影響について検討を行った。特に、本年度対象としたディテールのフランジ及びダイアフラムの板厚の変化に伴う応力変化について検討を行った結果、(1)沓座端部では、フランジの板厚が増加することにより応力の伝達がなだらかになり、フランジ-ダイアフラム溶接部の応力集中が緩和される、(2)沓座間の上記取り合い部では、フランジやダイアフラムの板厚を増加させると局部変形自体は小さくなるが、その局部変形自体が集中する位置が変化し、沓座に働く荷重条件によっては必ずしも応力低下につながらないなどの結果を得ることができた。
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