2005 Fiscal Year Annual Research Report
並列計算機を用いた広域地盤-構造物全体系地震応答解析に基づく耐震説計手法の開発
Project/Area Number |
17760384
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中野 友裕 東海大学, 工学部, 講師 (80370055)
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Keywords | 並列計算機 / 動的耐震照査法 / Flexibility法 / 終局曲率曲面 / 2軸曲げ |
Research Abstract |
平成17年度の本研究においては,並列計算機の構築・計算特性の把握とRC構造物の動的耐震照査法を開発することに主眼をおいて実施してきた. 並列計算機については,5台のPCならびに17台のPCを用いて並列化することで,本研究のひとつの眼目である広域地盤の地震応答解析を実施した.その結果,並列計算における各PCへの計算の割り振り方(境界面の作成方法)により計算時間が大幅に異なること,特に計算時間を短くするためには各計算機への割り振り方を一平面で分割する方法が最も効率よく計算できることが明らかとなった. 本研究の中心である広域領域を考慮した耐震設計においては,現在用いられている耐震評価手法(構造ユニットごとの安全性評価)は意味を成さなくなる.そこで,RC構造物の動的耐震照査法についても検討を行った.本年度研究成果論文としての実績として上げたものはすべてこの動的耐震照査法である.この方法は3方向同時地震入力あるいは3次元の大残留変位(断層運動など)に対して構造物が安全性を十分に確保できているかを照査するものであって,これまでの設計でまったく考慮できなかった軸力変動を伴う2軸曲げ作用下における安全性評価を行うことのできる方法である.また,この方法は,これまでの構造形式に依存した耐震照査ではなく,断面損傷を破壊の基準としていることから,広域領域を対象とした設計においては汎用性の高いものとして用いることができる. 今後は以上の2点を融合し,広域地盤における構造物の振動解析と動的耐震照査法を組み合わせることにより,都市全体の中でどの位置が危険となりやすいか,またどういった耐震補強策が妥当であるかといった問題への適用を進めていく.
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Research Products
(4 results)