2006 Fiscal Year Annual Research Report
並列計算機を用いた広域地盤-構造物全体系地震応答解析に基づく耐震説計手法の開発
Project/Area Number |
17760384
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中野 友裕 東海大学, 工学部, 講師 (80370055)
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Keywords | 並列計算機 / 動的耐震照査法 / Flexibility法 / 終局曲率曲面 / 2軸曲げ |
Research Abstract |
平成18年度の本研究においては,地盤と構造物の一体化解析の可能性の検討・大規模離散系構造物の動的耐震照査法・断層のような変位差と加速度が同時に作用する場合の運動方程式の解法に主眼をおいて実施してきた. (1)地盤と構造物の一体化解析の可能性の検討 地盤のような長方形(直方体)の解析対象を並列化する場合には,計算機ごとに割り当てられる領域分割が単純であり問題はないが、連続高架橋のような離散系要素の場合,領域分割は単純ではなく並列化のメリットは生かせないようである(現在も検討を継続中).そのため一体化解析から方向転換し,広域地盤のみの解析とそれで得られる各地点における波形を用いた解析手法・耐震照査法に取り組んだ. (2)大規模離散系構造物の動的耐震照査法 本研究の中心である広域領域を考慮した耐震設計においては,現在用いられている耐震評価手法(構造ユニットごとの安全性評価)は意味を成さない.そこで昨年提案したRC連続高架橋の動的耐震照査法を,3次元曲線形状を有する9スパンの高架橋に対して適用することで任意の形状に対する安全性の評価が可能となることを明らかにした. (3)変位差と加速度が同時に作用する場合の運動方程式の解法 広域地盤の解析で得られる波形は各地点で当然異なるわけだが,さらに各点における最終的な変位差という問題を扱うことは現状の動的解析では対応できない(断層運動による強制変位差と慣性力の同時作用など).その問題を解決するための運動方程式の解法を提案し,実際のラーメン橋梁に断層運動を模擬した加速度波形・変位波形を入力できる解析手法を開発した. 当初の目論見である一体化解析を変形した形で取り組んできたが,現時点で一体化解析の可能性も否定されたわけではないので,今後も取り組んでいくことになる. 最後に,補助金を交付いただいたことにより,問題点を含むこれらの貴重な知見を得ることができたことに謝意を表する.
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Research Products
(3 results)