2005 Fiscal Year Annual Research Report
空洞膨張論を用いたジオグリッド補強土の応力・変形分布の予測に関する研究
Project/Area Number |
17760388
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
河村 隆 信州大学, 工学部, 助手 (50324231)
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Keywords | 補強土 / ジオグリッド / 引抜き試験 / 応力状態 / 鉛直応力 / 空洞膨張論 / 応力伝播 / 二軸圧縮試験 |
Research Abstract |
本年度は,まず,既存の二軸圧縮引抜き試験装置を用いて,供試体初期高さ,応力・変形状態および補強材の種類を変えた引抜き試験を実施し,鉛直応力の分布を測定してデータの蓄積を行った.そして,空洞膨張論を用いて鉛直応力分布を予測する手法について検討した.次に,補強材を敷設したアルミ棒積層体の供試体に対して,補強材を引抜きながら供試体の二軸圧縮を行う二軸圧縮・引抜き試験を考案し,試験方法の確立について検討した.得られた主な知見は以下の通りである. 1.ジオグリッドなどの横リブを模擬したリブ有り補強材とリブ無し補強材の2種類の補強材を用いた.リブ有り補強材の方がリブ無し補強材よりも鉛直応力の増加が大きい. 2.初期供試体高さの異なる引抜き試験において,高さが小さい供試体ほど鉛直応力増分が大きく,高さが小さいほど増分は小さくなった.このことから,補強材近傍において鉛直応力が局所的に増加し,補強材から離れるほど鉛直応力増分は小さくなると考えられる. 3.引抜き試験結果に空洞膨張論を適用するために,応力伝播を算定する際のパラメータの一つである肉厚円筒の内径の大きさをフィッティングパラメータとすることを提案し,試験結果と比較することによりその手法の有効性を示した. 4.二軸圧縮・引抜き試験を実施するにあたり,アルミ棒積層体の内部摩擦角はφ'=21.9°であり,すべり面の角度はα=45°+φ'/2=56.0°と求まる.そこで,すべり面に及ぼす補強材の影響を小さくするために,補強材は下端面から5cmの位置に敷設することを考案した.
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Research Products
(3 results)