2005 Fiscal Year Annual Research Report
間隙流体が液状化地盤の大変形挙動に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
17760395
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小林 義和 日本大学, 理工学部, 助手 (20339253)
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Keywords | 液状化 / 大変形 / 間隙水圧分布 / 速度依存 / 数値解析 |
Research Abstract |
平成17年度においては、MPS(Moving Particle Semi-implicit)法による液状化地盤の変形推定法の開発を行った。開発された手法では、完全液状化前後における地盤の相変化に着目し、解析中に対象地盤の構成方程式を線形弾性から質量保存則のみを考慮したモデルに変更することにより、この相変化を取り扱った。この結果、地盤が剛性を維持している間には大きな変形が生じず、完全液状化到達後に大きく地盤変形が生じる様子を定性的に再現することができた。これにより、解析中に相変化が起こるようなモデルに対してもMPSが妥当な結果を示すことが確認され、今後非線形性やダイレイタンシー特性などを考慮したモデルに対してMPSが適用可能であることを示唆する結果を得た。また、MPSなどの総称である粒子法によって、従来使われている有限要素法と同等の解析精度を実現するためには、有限要素法より多くの計算量が生じる。この問題を解決するために当初の予定通りPCクラスターの構築を行った。このPCクラスターでは、デュアルコアのCPUを2基搭載したコンピュータを3台、GigabitEthernetで接続することにより構成した。また、その性能のテストを行い、並列計算によってより効率的な解析を行うことが可能であることを確認した。また、汎用解析コードDIANAによって液状化解析を行い、比較対象とする解析結果の蓄積を行った。この結果は、現在開発中の手法に間隙流体の影響を組み込んだ後、提案法の完全液状化前の挙動の妥当性を確認するために使われる予定である。また、解析結果の可視化については、一般的に配布されているレンダリングソフトウェア等を利用することにより、効率的に変形の様子等を表す動画を作成する手法について検討を行った。
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