2006 Fiscal Year Annual Research Report
間隙流体が液状化地盤の大変形挙動に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
17760395
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小林 義和 日本大学, 理工学部, 講師 (20339253)
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Keywords | 液状化 / 大変形 / 間隙水圧分布 / 測度依存 / 数値解析 |
Research Abstract |
平成18年度には、液状化地盤の挙動に間隙水圧が及ぼす影響を粒子法の一種であるMPS(Moving Particle Semi-implicit)に組み込むため、土粒子骨格をからなる固相と間隙水からなる液相を空間を共有する二平面にそれぞれ割り当て、その相互作用を考慮した解析手法の開発を行った。固相と液相の相互作用は、MPSで提案されているラプラシアンモデルによって、固相の粒子と液相の粒子がその相対速度に依存して影響を及ぼすように考慮されている。これは、Darcy則を想定して行った定式化であるが、その相互作用の程度を決定する動粘性係数については、その決定法法について検討する必要がある。また、MPSで提案されている重み関数では、粒子同士が重なり合わないように、粒子間距離が0になると重みが無限大になるような定式化がなされているが、液状化地盤においては、固相に存在する空隙に液相である間隙水が存在するため、このような定式化を行うと矛盾が生じることになる。このため、本研究では、固相と液相の相互作用を考慮するための重み関数として、MPSの重み関数とは異なる重み関数を採用することでこの問題を解決した。この相互作用を決定する重み関数については、その妥当性についてより検討する必要がある。また、土粒子骨格の間隙比などが過剰間隙水圧の上昇に及ぼす影響についても今後検討する必要がある。さらに現在作成して入るMPSのプログラムについて、導入したPCクラスターに対応した並列化を行い、解析の効率が大きく改善されることが確認された。また、解析結果の検証を行うために中空ねじりせん断試験機に部分的な排水機能をもたせ、非排水条件ではなく、部分的な排水を許したせん断試験を行った。
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