Research Abstract |
平成17年度では,携帯電話によるリモートアクセスシステムを搭載した現地計測装置の設置を行った。計測機器(雨量計,テンシオメータ,温度計)のキャリブレーションを行ったあと,現地への設置を行った。設置地点においては,測量や簡易貫入試験などの地盤調査を行い,地質断面図を得ることができた。本システムにより,10分間雨量,間隙水圧(20,40,60,80,100cm),土中温度(0,10,30cm)が計測された。また,計測機器のメンテナンスについての検討を行った。蒸発量などを現地計測から得ることができるために,風向計や湿度計などを設置する必要があることが土槽試験などから得られたため,今後,計測システムの再構築を検討している。 また,降雨時の斜面崩壊予知に関するプログラムの作成を行った。プログラムに熱の影響(蒸発量など)を考慮した不飽和地盤の伝熱・浸透解析を作成するため,土槽試験を行い,現地計測結果から蒸発量を導く手法について検討を行った。今後,モデルの妥当性の検討を行っていく予定である。 さらに,保水性試験,透水試験および改良型一面せん断試験を行った。土槽試験や現地斜面に関する室内土質試験を行い,数値シミュレーションの入力値や妥当性の検討に必要な水分特性曲線と透水係数を得ることができた。せん断試験では,供試体の飽和度を変化させて試験を行い,飽和度の変化に伴う見掛けの粘着成分と内部摩擦角の変化について検討を行った。今後,試験機や試験方法の改良を行いより精度の高い結果を得る必要がある。また,表層崩壊においては,低拘束圧力下で試験を行わなければならないため,今後,試験機の改良を行う予定である。
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