2005 Fiscal Year Annual Research Report
フラップゲート型可動式高潮・津波防潮堤の耐波機能に関する研究
Project/Area Number |
17760404
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川崎 浩司 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20304024)
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Keywords | フラップゲート型可動式防潮堤 / 構造物の耐波機能 / 構造物と波の動的相互干渉 / 高潮 / 津波 / 越波 / VOF法 / 数値波動水路CADMAS-SURF |
Research Abstract |
海岸保全施設が整備されてきた今日においても,未だ高潮・津波は脅威を奮っている.今後より一層,ハード・ソフト面の防災・減災対策を行うことが重要である.現在,ハード対策として,沿岸域の防護面のみならず,海域の景観・環境保全・利用面にも配慮した海域構造物の一つであるフラップゲート型可動式防潮堤の耐波機能が検討されている.これまで,静止状態にある構造物の耐波機能については若干議論されているが,構造物が移動している時の波浪解析は行われていない.そこで,本研究では,フラップゲート型可動式防潮堤のように並進・回転運動する構造物と流体の相互干渉を解析できる,VOF (Volume Of Fluid)法に基づく断面2次元数値波動水路を構築し,フラップゲート型可動式防潮堤の耐波機能について検討することを主たる目的としている.平成17年度の主な研究成果は以下のとおりである. (1)剛体構造物と流体の動的相互作用を考慮したVOF法に基づく数値モデルの構築:剛体と波の動的相互作用を考慮できるように,任意形状構造物の設定方法など新たな計算アルゴリズムを,VOF法に基づく断面2次元数値波動水路CADMAS-SURF (SUper Roller Flume for Computer Aided Design of MAritime Structure)に導入した. (2)静的配置されたフラップゲート型防潮堤の耐波機能の評価:港湾空港技術研究所が実施したフラップゲート型防潮堤が静的に傾斜した場合の断面2次元実験(模型縮尺1/16)と同様な条件下で,構築した数値波動モデルを用いて計算を行った.そして,水位変動のみならず,作用波圧,全波力といった耐波設計で重要な要因に対して実験結果と比較し,静的配置されたフラップゲート型防潮堤の耐波機能を議論した.
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