2006 Fiscal Year Annual Research Report
人工リーフの堤体変形に伴う水理機能評価に対する断面2次元実験の適正活用
Project/Area Number |
17760407
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒木 進歩 大阪大学, 大学院工学研究科, 講師 (80324804)
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Keywords | 人工リーフ / 堤体変形 / 水理機能 / 断面2次元実験 / 平面実験 |
Research Abstract |
1.平面実験 平面水槽内の傾斜固定床上に砂層を作成し,その砂層上に砕石で人工リーフを設置した.波を斜めに入射させ,人工リーフ周辺での波高分布および流速分布,さらに周辺地形の変化を測定した.人工リーフの機能としては,波を斜めに入射させることにより発生する沿岸漂砂の補足機能を中心に検討を行った.得られた主な結果は以下の通りである. ・砕波帯内に人工リーフを設置した場合,沿岸漂砂により人工リーフ堤体付近に底質が堆積し,堤体内にも大量の堆砂が生じた.堤体内の空隙は波高減衰効果を持つため,水理機能低下が懸念される. ・砕波帯外の比較的水深の深い位置に人工リーフを設置した場合,堤体天端上で減衰した波浪が堤体背後で再生しやすくなり,堤体背後で比較的大きな流速が測定された.この流れのために,堤体背後の地形変化は比較的大きい. 2.実験のデータ整理および検討 まず,昨年度に実施した断面2次元実験での人工リーフを設置しない場合と設置した場合の地形変化を再検討することにより,人工リーフが岸沖漂砂を抑制する効果を確認した.ただし,天端上水深が大きい場合は堤体背後の底質が沖側へ流出することを助長している場合も見られた. また,平面実験と断面2次元実験の結果との比較から,堤体端部では沿岸漂砂による堆砂および侵食,また堤体側面からの屈折による波高の増大が見られるため,平面実験での検討を行う必要性を示した. 3.数値計算 Boussinesq方程式による人工リーフ周辺の平面波浪場算定を目指したが,堤体天端上などの極浅海域での計算が難しかったため,既存のエネルギーフラックス保存則に基づく手法により算定した.この手法では平均流を直接,計算することはできないため,課題を残した.
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Research Products
(4 results)