2005 Fiscal Year Annual Research Report
最適な土地利用密度規制およびゾーニングに関する研究
Project/Area Number |
17760415
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河野 達仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00344713)
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Keywords | 経済政策 / 都市計画 / ゾーニング / 土地利用 |
Research Abstract |
最適土地利用密度(容積率規制,lot size zoning)を求めたKono et al.(2002)のモデルを用途地域(ゾーニング)の分析を行えるモデルに拡張した.Kono et al.(2002)のモデルは,2ゾーンおよび4ゾーンで構成される都市の2ケースを仮定し,都市に存在する主体として居住者のみを考慮し,居住者密度が高くなるにしたがって大きくなる混雑外部性が仮定されていた.このモデルを居住者に加えて都心に従業者が存在するように変更し,居住者による外部性と従業者による外部性(具体的には混雑や騒音)を仮定した.Kono et al.(2002)の政策変数は,容積率規制,lot size zoningであった.今回は,これらに加えてゾーン別居住者用土地面積,従業者用土地面積およびそれらの位置(すなわち用途地域規制)を政策変数として最適政策を求めた. 結論として,居住用および従業用のそれぞれの用途別に最高および最低容積率規制が必要であること,および用途別土地面積規制は容積率規制があれば必要がないことを導いた.最高および最低容積率規制が必要である結論は,用途を考慮していないKono et al.(2002)の結論と同様である.用途別土地面積規制が必要ないという点は新たな結論といえる. なお,実際の都市計画制度をみると,最低容積率規制は一般的でなく,さらに用途別土地面積規制も行っている.この点から制度の見直しが必要といえる.
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