2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760421
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 伸治 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50355913)
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Keywords | 路上駐車 / 駐車管理 / 交通シミュレーション |
Research Abstract |
本研究は、路上駐車が交通渋滞の原因となることなく都市活動に貢献できるような、適切な路上駐車の管理方策を提示することを目的としたものである。すなわち、路上駐車の役割を認め、交通流への影響が少ない時間と場所を選べば路上に駐車スペースを確保してもよいという立場をとる。 路上駐車は都市内の交通渋滞の主要な原因の一つとなっているが、都市の社会・経済活動を支える重要な役割を果たしていることも事実である。従って、これを適切に管理することは、都市の活動を維持しつつ都市内の渋滞を緩和するために極めて重要である。これに資するため、本研究では以下の事項を実施した。 まず、路上駐車とそれによる交通流への影響を把握するための観測調査を実施し、路上駐車の発生状況、通過交通の車線利用率などを把握した。これを元に、路上駐車による交通容量の低下をはじめとする交通流への影響を分析した。続いて、路上駐車の影響を交通シミュレーションを用いて分析するために、路上駐車が存在する区間における通過車両の回避挙動をモデル化し、シミュレーションに組み込む作業を行った。これを通じて、路上駐車の位置や信号サイクル長によって、路上駐車が交通流へ与える影響が異なることが分かった。またこのモデルを利用して、通過車両の運転行動を把握するために、ドライビングシミュレータを用いた被験者実験を実施した。実験ではCGで再現された現状の違法な路上駐車状況と路上駐車スペースを確保した状況を比較走行し、走行軌跡データやアンケートによる回答を取得した。 今後は、現地観測調査および被験者実験により取得されたデータを用いて車両挙動モデルの検証を行い、有効性を確認した上で交通シミュレーションによる路上駐車の影響分析を行う。そして、適切な路上駐車スペース確保のあり方を提示する予定である。
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