2005 Fiscal Year Annual Research Report
交通量の確率的変動を考慮した有料道路事業の社会的最適料金更新問題
Project/Area Number |
17760429
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長江 剛志 神戸大学, 自然科学研究科, 助手 (30379482)
|
Keywords | 有料道路事業 / 交通混雑 / 確率インパルス制御 |
Research Abstract |
平成17年度の研究では下記を行った.第1に,高速道路と一般道路から構成されるネットワークにおいて,有料道路のキャッシュ・フロー流列の期待現在正味価値(以下,事業価値)を最大化する動的料金変更問題を確率インパルス制御問題として定式化した.第2に,この問題の最適性条件が無限次元の一般化相補性問題として記述しなおせる事を明らかにした。第3に,適当な離散的枠組の下で,この問題が,数理計画分野で知られる有限次元の一般化相補性問題を逐次的に解く問題に帰着することを示した.この解析結果を用いることで,数理計画分野における最新の研究成果を活用した効率的数値解法を開発することが可能となった.最後に,こうして開発した数値解法を用いて数値計算を行い,有料道路管理者の利潤を極大化させるフィードバック料金更新ルールの特性とメカニズムを明らかにした. 平成17年度の研究で明らかになったことは以下の通りである.まず,一見すると数値解を得る事が極めて難しく見える(あるいは,モンテカルロ・シミュレーションなどに頼らざるを得ない)複雑な問題が,数理計画分野でよく知られる有限次元の一般化相補性問題を逐次的に解く問題に帰着することを示した.次に,数値解析を通して,最適フィードバック料金更新ルールの特性とメカニズムを明らかにした.具体的には,a)料金の引き上げ/引き下げのトリガーとなるOD交通需要の閾値が時間と共に変化し,計画満期近くでは料金の引き上げ/引き下げのいずれも起こらないこと;b)有料道路の容量を拡張することで,事業価値は必ず増大するが,その増加率は現在のOD交通需要に依存して非単調的に変化することを明らかにした.
|
Research Products
(1 results)