2005 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルSCM下における我が国港湾の比較優位性の解明と港湾マネジメントへの適用
Project/Area Number |
17760436
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Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
安部 智久 国土技術政策総合研究所, 港湾研究部港湾システム研究室, 主任研究官 (30370795)
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Keywords | グローバリゼーション / SCM / ロジスティクスハブ / 生産ネットワーク / 自由貿易地域 / 比較優位性 |
Research Abstract |
本年度は、研究初年度として、グローバルSCMを支援するための港湾のあり方について文献や企業へのヒアリングを実施し、港湾サービスの向上(輸送のスピード、輸送の安定性、輸送の可視性)ならびに港湾の付加価値拠点としての空間機能の提供が必要であることを見出した。このうち、港湾サービスに関しては、これらのサービスがどのように企業のSCMに影響を及ぼすかについて製造業企業の日本と北米を結ぶサプライチェインを対象として簡易なシミュレーションモデルの構築によるケーススタディを行い、そのメカニズムについて分析を行った。その結果、港湾サービスが変化した場合、企業が顧客満足を保持するために必要な在庫水準や輸送コストに有意に影響することが確認でき、またその要因、程度について定量的にも分析することができた。 さらに、港湾の付加価値拠点としての空間機能に関しては、アジア地域の港湾における取り組みを実態調査した。対象は韓国(釜山港、光陽港)、上海港(外高橋地区、洋山地区)、ならびに台湾における高雄港である。グローバルSCMを支援するため、これらの港湾は既に港湾ロジスティクスハブとしての機能強化を図っていることを見出すとともに、その戦略や空間整備の方策等について比較分析を行った。その結果、1)これらの港湾においては国策としてグローバルSCMの誘致を行う戦略を有し、外資系企業へのインセンティブを強化していること、2)大規模な保税区域を港湾内に整備していること、3)港湾運営を企業的に行おうとしていること、などの共通事項が見出された。 平戌18年度においては、これらの知見を踏まえ、アジア地域の港湾と我が国の上記に関する港湾の優位性の評価を行ったうえで、我が国港湾マネジメントして改善すべき点などについて政策提言を行うこととしている。
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Research Products
(2 results)