2005 Fiscal Year Annual Research Report
染色廃水の省エネ・高速クローズド処理システムの開発と微生物生態解析
Project/Area Number |
17760442
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Research Institution | Takamatsu National College of Technology |
Principal Investigator |
多川 正 高松工業高等専門学校, 建設環境工学科, 講師 (30390511)
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Keywords | 嫌気性処理 / UASB / DHSプロセス / 染色廃水 / 脱色 / 生分解性 |
Research Abstract |
染色廃水の排出量は膨大であり、産業廃水排出量の中でも高い割合を占めている。染色廃水は、年間を通して水温30〜40℃、BOD濃度500mg/L程度で排出され、かつ特有の廃水性状としては、800mgS/L程度の高濃度硫酸塩を含有していること、黒や紺色などに着色していること、染料成分が難分解性であること、等が挙げられる。現在の染色廃水処理は、凝集沈殿-活性汚泥法により行われているが、この廃水処理プロセスでは、エアレーションによる電気エネルギーの大量消費、多量の余剰汚泥排出、多量の凝集沈澱剤等薬品の消費、等の問題がある。本研究では、メタン発酵型UASB法に代わる新規の嫌気性主体の処理法、即ち、硫黄還元型のUASB反応器とDHS反応器によるシステムを考案し、貴工場より排出される、2系統の廃水、即ち、糊抜き精錬漂白廃水(排出量230m^3/d)及び染色工程廃水(排出量700m^3/d)の混合廃水を対象に当該システムに実染色廃水を通水した連続処理実験を行い、その適用性を評価した。本研究の結果、開発システムは、染色排水に対して以下のように優れた有機性処理性能を示し、排水基準を達成した。(HRT18時間、UASB水温25〜30℃の条件下で、最終処理水質は、BOD 10±5mg/L、COD_<Mn> 110±10mg/L、SS 10±5mg/Lに達した)。また、本連続通水試験中に余剰汚泥の引き抜き等は行っておらず、汚泥の発生量も従来までの好気性処理と比較しても少ないことが示され、廃棄物量削減に対して大いに期待できる。着色度除去に関しては、原廃水着色度の約50%の除去が得られたが、実用に向けてはなお除去率の向上に関する検討が必要である。
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