2006 Fiscal Year Annual Research Report
表面被覆・改質による低品質再生コンクリートの耐久性向上技術
Project/Area Number |
17760445
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷川 拓哉 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30360465)
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Keywords | 中品質再生粗骨材 / 表面被覆材 / 表面改質材 / 耐久性 / 中性化 / 耐凍害性 / 乾燥収縮 / 透湿性 |
Research Abstract |
本研究は、中低品質再生骨材を利用したコンクリートに仕上材料などの表面被覆と表面改質を施し、耐久性を向上させる技術を検討したものである。耐久性のうち基礎的な性状として中性化を把握するとともに、中低品質再生骨材コンクリートで特に問題とされている乾燥収縮性状、耐凍害性の検討を行い、以下の知見を得た。 (1)中性化については、表面被覆・表面改質ともに抑制効果がみられた。また、表面被覆材の透湿性と中性化抑制効果には一定の相関がある。 (2)乾燥収縮性状については、表面被覆・表面改質ともに、収縮を止める効果はなく、遅延させる効果が主である。また、表面被覆材の透湿性と乾燥収縮低減効果には一定の相関がある。 (3)耐凍害性については、防水性が高い表面被覆材は凍害劣化を遅延させることができる。しかし、防水性が低い場合、逆に早期に凍害劣化を生じさせる場合がある。また、表面改質材は、乾燥を抑制するため,乾燥した表面改質材なしのものと比較して,耐凍害性が低くなる場合がある。 (4)表面被覆材と表面改質材の組合せの効果として、中性化性状、乾燥収縮性状、耐凍害性ともに、今回の実験の範囲では、表面被覆材の影響を大きく受ける。 以上をまとめると、中低品質再生骨材コンクリート部材の耐久性向上として、表面被覆材・表面改質材は有効と考えられる。しかし、表面被覆材は、コンクリート自体の耐久性は向上させることができない。このため、部材全体の耐久性を考える場合、表面被覆材の耐久性が重要になる。一方、表面改質材を用いた場合は、逆に耐久性を低下させる場合もあるため、その特性に合わせた使用が必要である。表面被覆材と表面改質材の組合せについては、今回の実験では組合せることによる耐久性の向上はみられなかった。今回は主として促進試験の結果であり、実環境の場合はまた異なった結果となると考えられるため、データの蓄積が必要と考えられる。
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Research Products
(3 results)