2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760447
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三辻 和弥 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90292250)
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Keywords | 建築構造・材料 / 地盤工学 / 限界耐力設計法 / 液状化 / 不飽和地盤 |
Research Abstract |
限界耐力設計法の液状化地盤への適用に際して,液状化対策を踏まえた液状化地盤の地震応答を検討した。検討項目は二つあり,1)液状化層の不飽和化による液状化対策を施した地盤の地震応答,2)液状化対策を施された地盤内の杭の地震応答,について検討した。 1.不飽和化による液状化対策を施した地盤の地震応答については,砂質土の飽和度を低下させ,不飽和砂とすることにより,液状化強度が大きくなるという,既往の実験結果を利用して有効応力解析を行った。不飽和砂層を含んだ液状化地盤の地震応答は加速度,せん断ひずみとも大きく低減され,不飽和化による液状化対策工の有効性が示された。さらに,実地盤の飽和度を計画的にコントロールすることは技術的に困難が伴うため,飽和度の空間分布を考慮した解析を行った。その結果,液状化層の深部などに不飽和化しきれずに液状化強度が小さいままの層が残されていると,その部分でせん断ひずみが大きくなるため,施工誤差や経年による飽和度の低下などに留意する必要があることを指摘した。 2.液状化対策を施された地盤内の杭の地震応答については,建物直下の地盤が液状化対策されていても,周辺の未対策地盤が液状化した場合に,杭が受ける影響について2次元FEMを用いて考察した。液状化対策された地盤が建物幅に対して十分大きい場合は周辺の液状化地盤の影響は小さい。しかし,建物幅に対して十分な距離を液状化対策していない場合,周囲の液状化地盤からの影響を受ける。この場合,周辺の液状化地盤で発生した大きな地盤変位あるいはせん断ひずみが付加的な外力として働くため,杭に対する地中での水平外力が大きくなるため,設計時に注意が必要である。また周辺の液状化地盤の影響を受ける場合の杭周辺の水平地盤反力係数は傾斜地盤での水平地盤反力係数の評価法を用いて近似できることを示した。
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Research Products
(2 results)