2005 Fiscal Year Annual Research Report
ダイラタンシーを考慮したフレッシュコンクリートのレオロジーモデルの構築と定量化
Project/Area Number |
17760452
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
三島 直生 三重大学, 工学部, 助手 (30335145)
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Keywords | レオロジー / フレッシュモルタル / 回転粘度計 / キャリブレーション / せん断ひずみ / 可視化 / フロー値 / 経時変化 |
Research Abstract |
本年度の研究としては、フレッシュモルタルおよびフレッシュペーストのレオロジー性質を測定するための試験装置の試作およびその測定の妥当性の検証実験を行った。投稿論文に関しては、平成18年3月現在で、口頭発表論文1編が投稿中であり、今後の追加実験を合わせて査読のある論文集に投稿する予定である。 (1)せん断ひずみを制御できる回転粘度計の試作 本研究でこれまで行ってきた単純せん断試験(せん断ボックス試験)では、最大せん断ひずみが小さいことや、装置が複雑で測定が困難と言った問題点があった。このため、本申請研究では、新たな試験装置としてせん断ひずみを制御できる回転粘度計を試作することを試みた。その結果、外円筒直径100mm、内円筒直径30〜80mm(可変)、試料高さ100mmのサイズの外円筒回転型回転粘度計が完成した。 (2)回転粘度計のキャリブレーション 試作した試験装置の精度を確認するためのキャリブレーション実験を行った。均質な粘性体を試料としたキャリブレーション実験からは、内円筒直径が大きくなった場合に、内円筒下端面の端面効果およびエッジ効果による誤差が検出されたが、概ね良好な結果が得られた。内円筒直径の違いによる影響に関しては、今後、内円筒形状などの変更も含めて検討が必要となる。 (3)回転粘度計内部におけるフレッシュモルタルの変形状態の可視化 着色したフレッシュモルタルを用いた試料容器内の試料の変形状態の確認実験をおこなった。実験の結果、回転粘度計測定時のフレッシュモルタル内部の変形挙動は、試料表面で観察される変形状態とは大きく異なることが明らかとなった。試料内部の変形は、フロー値が小さい場合や練り上がり後に静置された場合のような試料の流動性が小さい場合、および、水セメント比が大きく粘性が小さい場合に試料が均一に変形しないことが明らかとなった。また、試料に均一なせん断変形を与えるためには内外円筒表面の材質を変更することが有効であることが明らかとなった。
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