2006 Fiscal Year Annual Research Report
ダイラタンシーを考慮したフレッシュコンクリートのレオロジーモデルの構築と定量化
Project/Area Number |
17760452
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
三島 直生 三重大学, 大学院工学研究科, 助手 (30335145)
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Keywords | レオロジー / フレッシュモルタル / 回転粘度計 / ダイラタンシー / せん断ひずみ / 可視化 / フロー値 / 経時変化 |
Research Abstract |
本年度の研究では、回転粘度計の測定値に関する基礎実験、およびフレッシュセメントペーストとフレッシュモルタルを用いた回転粘度計によるレオロジー性質の測定実験を行った。投稿論文に関しては、平成19年3月現在で、査読論文1編、口頭発表論文1編をそれぞれ投稿中である。 (1)回転粘度計の内円筒底面が測定結果に及ぼす影響の把握 測定トルクに及ぼす内円筒底面の影響(以下、端面効果)に関して、均質粘性体を用いて検証を試みた。その結果、内円筒回転数の小さい範囲においては、実測値と既往の研究から提案されている理論値は比較的良く一致しており、理論式の妥当性が確認された。また、B型回転粘度計の測定結果との比較からは、本実験で試作したモルタル用回転粘度計によって正確にコンシステンシー曲線が測定されていることが明らかとなった。 (2)試料の変形状態がコンシステンシー曲線に及ぼす影響 本研究では、内円筒表面のすべりの状態を変化させて、コンシステンシー曲線および試料内部の変形状態にどのような変化が現れるかを確認することを試みた。その結果、一般に用いられる金属製内円筒では、表面で試料がすべることにより正確なレオロジー性質の評価が行えない場合があることが明らかとなった。また、モルタルのレオロジー性質に対しては、ダイラタンシーに起因すると考えられる変形速度を変化させた直後のせん断抵抗の変化挙動が検出され、既存の測定手法および表現方法では充分な評価ができないことを示した。 (3)各種調合要因がコンシステンシー曲線に及ぼす影響 W/C、細骨材容積率、0打モルタルフロー値、および静置時間をそれぞれ変化させた場合のコンシステンシー曲線の測定を行った。その結果、流動性の低い場合にダイラタンシーの影響が大きくなること、流動性の大きい場合に変形領域が小さくなること、および、硬い試料ではすべり面の形成などが発生する可能性があることなどが明らかとなった。
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