2005 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー逸散・接触を伴う建築構造物の錐相補性条件に基づく高精度非線形解析法
Project/Area Number |
17760453
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寒野 善博 京都大学, 工学研究科, 助手 (10378812)
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Keywords | 対称錐 / 相補性問題 / 接触問題 / クーロン摩擦 / 不安定現象 / 孤長法 |
Research Abstract |
平成17年度は,以下に示すように,エネルギーの散逸や接触を伴う構造物に対し,錐相補性条件に基づく新しい形式の支配式を提案した.次に,準静的な荷重に対する構造物の数値解析法を開発した. [1]錐相補性条件に基づく非線形現象のモデル化 組石造材料やひずみ軟化材料などに対して,従来の手法を用いた場合の主な困難点は,構成則に場合分けが必要であることと,微分不可能な点が存在することである.本研究では,摩擦を伴う接触問題に対し,錐相補性条件に基づく新しい支配式のモデルを構築した.また,同様に,不連続性を伴う非圧縮材料の構成則に錐相補性条件を導入し,新しい形式の構成則を導いた. [2]微小変形・準静的載荷の下での接触問題の解析法 [1]の結果に基づき,Jordan代数と平滑化法に基づく錐相補性問題の解法を応用し,Coulomb摩擦を伴う接触問題の数値解析法を提案した.また,接触問題における幾何学的非線形性を考慮し,「均衡制約を伴う数理計画問題(MPEC)」に基づく弧長法を提案した.購入したパーソナルコンピュータや数式処理ソフトウェアを用いてアルゴリズムを実装し,提案した手法の有効性と数値的な安定性を実証した.
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