2006 Fiscal Year Annual Research Report
統計的手法により複数の解析を統合した免震構造物の最適設計法
Project/Area Number |
17760454
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山川 誠 京都大学, 工学研究科, 助手 (50378816)
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Keywords | 建築構造・材料 / 免震構造物 / 最適設計 / 統計的推測 |
Research Abstract |
立体骨組モデルに弾塑性を考慮した時刻歴応答解析を適用すれば,建物の実挙動を詳細に把握し,設計の安全性を確認することができる.しかし,最適化問題で考慮する場合には膨大な計算量が必要とされ,さらに個々の入力地震動の影響を大きく受けた設計が解として得られる.本研究では,目的に応じて複数の解析モデル・解析法を用いる現在の免震構造設計の枠組を数理的に統合・再構築することにより,合理的な設計解が小さい計算負荷でリアルタイムに得られる設計法の提案を目的として以下の研究を行った. (1)数理統計的予測手法を用いて構造物の動的応答を考慮した最適設計法 免震構造物では動的応答の評価が不可欠であるが,実務設計で一般的に用いられる弾塑性時刻歴応答解析に必要となる計算量は静的解析に比べて格段に大きく,また入力地震動の影響を大きく受けやすい.本研究では,複素固有値解析に基づく拡張CQC法に対して数理統計手法による補正を行い,少ない計算量で弾塑性時刻歴応答を予測し,制震要素の配置量を効率的に求められる最適設計法を提案した. (2)主体骨組を含めた免震構造物の最適設計法 等価線形化法と時刻歴解析法により得られるそれぞれの応答には強い相関性が期待され,数理統計的な手法に基づく補正を行うことで精度よく時刻歴解析法による応答を予測することが可能である.このような予測値を制約条件とする設計問題を構成し,最適性条件の閉形表現を利用して免震層の最適値関数を効率的に得る方法を提案した.さらに免震層と上部構造物の同時最適化問題を分割法により定式化し,上部構造物の静的外力に対する最適化問題の目的関数に免震層の最適値関数を加えることにより,効率良く構造物全体の最適解が得られることを示した.
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Research Products
(2 results)