2005 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリートと鋼板との摩擦すべりを利用したRC造制震壁の復元力特性に関する研究
Project/Area Number |
17760456
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉岡 智和 九州大学, 芸術工学研究院, 助教授 (40304852)
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Keywords | 制震構造 / 制震壁 / 摩擦ダンパー / プレキャスト / PC鋼棒 |
Research Abstract |
鉄骨骨組にPCaRC壁を組み込んだ部分架構の縮小模型試験体を用いた動的載荷実験を実施し,変位速度及びPCaRC壁のコンクリート強度が,当該制震壁の水平力-水平変位の関係に与える影響を確認した。実験に使用した試験体では,鉄骨骨組の上下梁に取り付けたファスナー金物を2枚のPCaRC壁でサンドイッチ状に挟みPC鋼棒で締め付け圧着した。なお,PCaRC壁の脚部接合部はすべりを生じさせない摩擦接合とし,頭部接合部はすべりを許容する摩擦すべり接合とした。加振は,鉄骨骨組の下梁を反力フレームに固定し,上梁に対して動的サーボアクチュエータにより水平方向強制変位を与えた。与えた強制変位の時刻歴は,正弦波として層間変形角R=1/400,1/200,1/100,1/50radに相当する振幅を順次与えた。また,PCaRC壁と鉄骨骨組の間にはクリアランスを設け,加振時にPCaRC壁と周辺骨組との接触を防止し,上下の接合部からのみPCaRC壁にせん断力が伝達されるように工夫した。 実験変数として,強制変位正弦波の平均すべり速度,PCaRC壁のコンクリート強度を設定した。いずれの実験条件においても摩擦すべり接合部の伝達力を,締め付けに用いるPC鋼棒の初期導入ボルト張力を調整することにより壁板のせん断ひび割れ強度を下回るレベルとなるように設定した。実験結果より,平均すべり速度,壁板のコンクリート強度の違いに応じた当該制震壁のせん断復元力特性を明らかにすることができた。
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